今回はFラン大学生がなぜ就職で不利なのか、その不利を挽回するにはどのような準備や戦略が必要なのかについて紹介します。
企業は当然、優秀な人材を欲します。
人気の職種や大手企業の場合、応募の数も非常に多いので、応募書類のすべてに目を通すことは難しくなってきます。
その際、最も単純な選考基準は学歴です。
Fラン大学では、学歴選考では真っ先に引っ掛かることになり、書類を見てもらえずに落ちるケースがあります。
MARCHや早慶に比べて、Fラン大学では学力に大きな差があります。
中高時代に勉強をサボっていたために基礎学力が低い学生が多いのです。
書類選考を通った場合でも、学力試験においてこれらの高学歴の学生よりも高い成績を出す必要があります。
最近では、多くの企業でSPIなどの学力試験を設けており、Fラン大学生ではこれまで試験勉強に真剣に取り組んだ経験が少なく対策が不十分なことも多いため、試験を十分に解くことができないこともあります。
周りの環境に流されてしまうと、こうした準備不足も改善されることがありません。
高学歴の大学に比べて、Fラン大学生は情報量に差ができます。
その原因の一つは、説明会の有無です。
上位の大学は、就活を始める前から様々な企業がその大学で説明会を行うため、数多くの情報を早い段階で知ることができます。
また、Fラン大学の企業説明会は、地元の中小企業が多く集まりますが、人事がまじめでないなど、質が低い場合もあります。
Fラン大学では、周囲に本気の学生が少なく、場合によっては学生課などでもデータ管理されておらず情報を得ることができないこともあります。
そのため、自力で就活を進めることが多く、結果的に非効率な方法になってしまいます。
Fラン大学では、大学の授業に対する姿勢だけでなく、就活に関してあまり考えていない学生が多くいます。
そのため、周囲の環境から、あまり知識を増やす努力をしない学生生活を送り、グループワークに際してその知識の無さが露呈することが多くあります。
例えば、マーケテイング業界志望の場合、その業界に対する研究を充分にしていない学生は、マーケテイングの種類や仕組みに対する知識が無く、グループワークにおいて話についていくことが出来ません。
Fラン大学とは、河合塾の定める大学の入試難易度のうち最も低いランク帯の学校を指しています。
河合塾は定義として前年度入試結果調査データにおいて、不合格者が少ないため合格率が50パーセントの偏差値帯が存在せず、ボーダーラインを設定できない大学とし、BF(ボーダーフリー)と表記しています。
以下にいくつかFラン大学の例を挙げます。
札幌大学 | |
---|---|
偏差値 | 44~54 |
特徴 | 社会科学系や語学、歴史など九つの専門科目を設置しており、学びの幅が広がります。 |
浦和大学 | |
偏差値 | 37.5 |
特徴 | 福祉系の学部に力をいれており、総合福祉学部やこども学部で人間発達について学ぶことが出来ます。 |
秀明大学 | |
偏差値 | 35.0~50 |
特徴 | 教職に関して力をいれており、教職の資格などを獲得出来ます。 |
朝日大学 | |
偏差値 | 35.0~45.0 |
特徴 | 看護学の専門知識などを学ぶことができ、看護師としての勉強が出来ます。 |
大谷大学 | |
偏差値 | 37.5~47.5 |
特徴 | 生徒と先生が近い距離で現実社会の問題について話し合うことが出来ます。 |
東亜大学 | |
偏差値 | 42~50 |
特徴 | すべての学科コースにおいて資格などに関する講義が開かれていて、実用的な教育が受けられます。 |
九州共立大学 | |
偏差値 | 37.5 |
特徴 | オンラインシステムの充実や教授と生徒の距離の近さなど学生がのびのびと学習出来る環境が整っています。 |
Fラン大学でも就職率は非常に高く、98~99%ほどの就職率を誇ります。
しかしこれには就職率を上げるためのからくりが存在します。
可能性の一つとして、就活生すべてのデータをとっていないことが考えられます。
例えば、大学に設置されているキャリアセンターで就職アンケートをとっていた場合、キャリアセンターに来ていない不真面目な学生は就職率の母数にカウントされません。
そのため、元々就職率の高いまじめな学生のみをアンケートの対象にできます。
ほかにもバイトを卒業後も続ける生徒や専業主婦になる生徒などがアンケートをとっていないことも考えられます。
したがってFラン大学の就職率99%は信用に値しません。
さらには、常に人材不足で劣悪な環境下の企業に就職している場合も多く、就職率が高いことが大手企業に就職することにつながるとは限りません。
Fラン大学の主な就職先については、学校の特色によってさまざまです。
運送業界などへの就職が多くみられます。
前述したとおり、応募者の多い有名企業や大手企業、または商社や広告、金融などの人気のある業界では、学歴フィルターが存在する場合が多いです。
そのため、これらに当てはまる企業は受けるだけ時間の無駄になるのでもともと受けないでおくことが得策です。
有名メーカーや財閥系の企業、商社、金融、広告、コンサルティングなどの業界は避けた方が良いかもしれません。
インターンシップでは、企業や業界について学べるだけでなく、学外の意識の高い学生と交流することができます。
Fラン大学では、周りの意識の低さもネックとなってくるので、学外の意識の高い人と交流することで、就活の情報共有などを行えるようになります。
また、長期インターンシップの場合、努力が認められれば内定が出される可能性があります。
早い時期からインターンや資格の勉強、自己分析や企業研究をすることは当然メリットがあります。
時間があるため自身に合った職種や入りやすい職種を見定めることができますし、多くの経験を積むことができます。
Fラン大学生は、学歴というアピールポイントが欠けています。
そこで、頭の良さをアピールするためには、TOEIC650点や簿記2級以上などの資格を取ることが重要になります。
TOEICは、多くの大学生が受験し、短い時間の中で問題を解き切る処理能力を求められる試験であるため、指標にしやすく注目する企業も多数存在します。
選考をたくさん受けることは複数のメリットがあります。
一つは、たくさん受けた分、内定がもらえる確率が増える事です。
注意してほしいのは、前述したとおり、大手企業を受けても時間の無駄になるので、可能性の高そうな企業をたくさん受けるという意味です。
さらに、面接の経験を積むことができるので、面接の際の対応力が上がります。
失敗した場合でもその経験を次に活かすことで、受かる確率が上がります。
企業から選考を受けてほしいというオファーが学生に来るサービスが存在します。
学生が事前に自身の情報を登録しておくことで、企業の人事から学生宛にオファーが送られます。
オファーが送られてくるため、内定は比較的しやすいと考えられます。
採用人数が多いということはそれだけ内定の確率が高いため、入りやすい事が多いです。
また、採用人数が多い企業の方が学歴フィルターが存在することが少ないです。
採用人数に注意して応募先を選ぶことも一つの選択肢です。
人材不足の業界には、成長が期待できる業界と、期待できない業界があります。
IT業界などはかなりの人材不足であり、今後の成長が見込めるため、ねらい目であるといえるでしょう。
不人気な業界もFラン大学生は選択肢として考えてもいいでしょう。
先のリーマンショックやコロナ禍により業界の構図が大きく変化したことに見られるように、今は不人気で劣悪な業界でも、将来はどうなるかわからないからです。
今回はFラン大学が就職に不利な理由や、挽回するための方法について解説しました。
自分の力をしっかり見極めたうえで、時間の許す限り就活の準備やインターン、説明会に取り組むことが必要になってきます。
逆オファーのサイトへの登録などできることから始めてみましょう。