グループディスカッションとは、「明確な正解のない一つのテーマ」についてグループで議論し、時間内に結論を出すというものです。
筆記試験や面接では判断しにくい「協調性」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」などを評価されるために導入されています。
ディスカッション中の様子を採用担当者に評価されているため、面接とは違う対策が求められます。
引用元:リクナビ
- 泊まってみたいホテルとは?(ホテル業界)
- 建設業の今後の見通し(建設業界)
- これからのAI、VR技術を使ったビジネスの将来性について(ソフトウェア業界)
- 地域活性化(百貨店業界)
- 最近の時事経済問題について(銀行業界)
- 少子高齢社会の進展とその解決方法について(生命保険業界)
- 社会人と学生の違い(食品メーカー業界)
- 当社の採用条件は何だと思うか(不動産業界)
- 月に行けたら何をする?(電機メーカー業界)
- 大学の入学志願者を10%増加させるには(ソフトウェア業界)
このように、グループディスカッションのテーマは企業によって様々です。
主に、「今後どうなるのか」「問題の解決策」を議論することが多いようです。
実際に、グループディスカッションは企業に入社した後も頻繁に行われることが多いので、適性を見ているのかもしれません。
就活のグループディスカッションでは、コミュニケーション能力・思考力を評価される傾向にあります。
論理性とは、筋道を立てて分かりやすく説明するチカラのことです。
論理的に話が出来る人は、問題解決力があるとみなされることが多いので、評価ポイントの対象となります。
積極的に、意見を発言したり、相手に質問したりできるチカラのことです。
積極的な人は、失敗を恐れずに行動する傾向にあるので、企業側も採用したいと考えています。
リーダーシップとは、グループ全員の意見をまとめて、最終的な結論へとグループを誘導するチカラのことです。
同じグループの人の意見に耳を傾け、尊重し合うことが出来るかどうかが判断基準となります。
他の人が発言している時に、「聞く耳を持っているかどうか」はとても重要な評価ポイントです。
発言に被せて話してしまったり、発言者の方を見ていなかったりするのは、悪い印象を与えてしまうので絶対にやめましょう。
効率的なグループディスカッションの進め方を紹介していきます。
会社によって違いますが、一般的には1グループ5~6人で、30分程度の時間が与えられます。
時間配分はグループディスカッションで非常に重要です。
どれほど議論が上手くいっても、時間内に結論を出せなかった場合は、評価が下がってしまう可能性があります。
実際にグループディスカッションをすると、意見が食い違ったり話が盛り上がったりすると時間を忘れてしまう人が多いので、きちんと時間配分を決めておく必要があります。
テーマの問題点を挙げていきます。
例えば、「テーマパークの来客数を増やすにはどうすれば良いのか」というテーマだった場合の課題を出していきます。
など、グループで解決しなければならない課題はいくらでもあります。
このように、グループで課題を出し合います。
そして、課題を参考にゴールを明確にします。
ゴールを明確にする際は、具体的な例・数字を交えて解決策を考えましょう。
この場合、1つの解決策を見つけるのではなく、みんなでたくさんの意見を出し合います。
結果を急がないことがポイントです。
良いと思った過程でも大丈夫ですので、思いついたことは全て出しましょう。
先ほど集めた解決策を基に意見をまとめましょう。
この時、再度「問題点」「その問題を解決するための解決策」を整理し直しましょう。
ゴールを明確にしているグループは、スムーズに話し合いを進めることが出来るので評価が高くなるかもしれません。
そして、最後に発表します。
全員発言しなければならないケース・発表者をひとりだけ決めるケースなど様々です。
自分が発表者になっても良いように、練習しておきましょう。
グループディスカッションの役割は「リーダー」「タイムキーパー」「書記」「その他」の4種類に大別されます。
「リーダー」は議論を先導しつつ、メンバーの意見を引き出す役割です。
リーダーになることで、リーダーシップがあること・協調性をアピールすることが出来ます。
しかし、自分勝手な行動を取っていると評価が下がってしまうかもしれないので注意しましょう。
リーダーや書記のほうが評価されやすいと思うかもしれません。
しかし、グループディスカッションで大切なことは「時間内にチームとして結論を出す」ことです。
たとえ「その他」になってしまっても焦る必要はありません。
「タイムキーパー」は全体の進捗状況をみながら時間の管理を行います。
時間制限があるため、効率よく議論を進めていかなければならなりません。
よくある失敗例として、議論が白熱しすぎて時間管理が疎かになるケースです。
話し合いが長引かないようにすることがタイムキーパーの役目です。
実際のビジネスの場面でも、限られた時間の中でミーティングを行うことは良くあります。
社会に出たときにも通用する学生だと思わせるためにも、きちんと時間を管理しましょう。
「書記」は各人の意見の要点を押さえてまとめる必要があります。
新入社員は、ミーティングの際に議事録係を任されることが多いです。
要点をきちんとまとめておくことで、後で振り返る際にとても役に立ちます。
議論が発散してしまい、話がまとまらなくなった場合は、テーマ(前提)を再度確認しましょう。
そのテーマを解決するために必要な話し合いが出来ているかどうかを考え、本当に必要な話合いだけになるように、メンバーを誘導しましょう。
全員を同じ考えにすることで、目的が一つになり話し合いがスムーズになります。
知識がないのに、無理に意見を述べようとしなくても大丈夫です。
他の人の意見を参考に、自分で思考してみたり、正直に分からないと伝えて簡単に説明してもらったり何か対策を行いましょう。
知ったかぶりをしてしまう方が、話がややこしくなり話が進まなくなってしまう可能性があるからです。
簡単に知識を得れば、何かしら意見を述べることが出来るかもしれません。
タイムキーパー以外も、時間配分を意識しましょう。
全員が発言する時間は限られています。
「自分が1分程度で収めて次の人にバトンタッチする」ということを心がければ、効率よく話し合いが出来ます。
手軽な方法は一人でイメージトレーニングです。
上記のNG行為例を参考に、シチュエーションを想像して上手く対処できるか練習してみましょう。
おすすめの練習方法は、練習で受け答えしている様子をスマホで録画することです。
自分の主観と、カメラ越しに見る客観的な映像では印象が大きく違います。
グループディスカッションに限らず、普通の面接対策にも有効ですよ。
グループディスカッションの練習をしたい友達がある程度以上いるのであれば、友達とやるのも一つの手です。
ただし、友達とグループディスカッションをすると緊張感が無くなってしまったり、どこがマイナスポイントかどうか分からなかったりします。
あらかじめグループディスカッションについてしっかり調べてから友達と練習しましょう。
最近は動画サイトが急成長しているので、「就活 グループディスカッション」で検索をすれば参考になる動画が見つかるでしょう。
ただし、その情報を鵜呑みにせずに多角的に正しいかどうか検証してみましょう。
そうはいっても情報が正しいかどうか判断するのは難しいですよね。
そんなときは大手就活サイトが提供している動画講座を見てみましょう。
人材会社が提供しているサービスなので、品質に疑問はありません。
自分の意見にこだわりすぎるのはNGです。
グループディスカッションは「他人の意見も取り入れて、より良い結論を出す」場所です。
自分の考えに自信をもつのは良いですが、こだわりすぎていると不採用通知を頂くリスクが増えますよ。
独りよがり状態を避けるコツは「他の意見を取り入れて、自分の意見を強化する」ことです。
自分は大丈夫だと思っていても、知らず知らずの内に独りよがりになってしまうものです。
十分に気をつけましょう。
メンバーが発言している時に「発言者の方を見ない」「他事をしている」「退屈そうな顔をする」のはNGです。
協調性が疑われます。
常にウンウン頷く必要はありませんが、議論に集中して参加しているという態度は崩さずにしましょう。
コツは「相手の方を見つつ、簡単に発言内容のメモを取る」事です。
これで採用担当者から見てサボっている風には見えません。
否定的な発言は意識していなくてもついやってしまいがちです。
十分注意しましょう。
例えばメンバーが明らかに間違ったことを発言している時に「それは違うよ」などとツッコミを入れるのはNGです。
あなたの意見は論理的に正しいかもしれませんが、否定された方の気持ちまで気を使うのがグループディスカッションです。
相手の気持ちを害さずに自分の意見を発言していきましょう。
もしメンバーが間違ったことを発言している場合は「そういう考えもあると思いますが、今朝テレビでは〇〇と言っていました」などと相手を肯定しつつ自分の意見を発言しましょう。
反論というと、相手の意見を否定しつつ自分の意見を押し通すイメージがあります。
しかし、必ずしも相手の意見と真っ向から対立する必要はありません。
今回は、就活する際のグループディスカッション選考対策について解説しました。
企業は、グループディスカッションを通してリーダーシップがあるか、協調性があるか、などを見極めています。
自分をアピールするために、どのような役割になったとしても活躍できるように準備しておきましょう。