電通は、1901年に創立された日本最大大手でもあり、世界で5位の広告代理店です。
また、2020年1月に社名を「株式会社電通グループ」に変更し、純粋持株会社の体制となりました。
テレビCMから始まり様々な広告を手がけるだけでなく、企業やその商品に対するブランディングを提案するサービスなども行なっており、幅広く事業を展開しているようです。
電通の事業は主に8つに分かれており、以下の通りです。
今回は、そんな電通の年収や福利厚生制度に関して、ご紹介します。
■まとめ
2014年から2019年の有価証券報告書によると、電通の平均年収は以下のようになっています。
年度 | 平均年収 |
---|---|
2014年 | 1,271万円 |
2015年 | 1,228万円 |
2016年 | 1,247万円 |
2017年 | 1,272万円 |
2018年 | 1,179万円 |
2019年 | 1,168万円 |
2014年と2019年を比較してみると、6年間で100万円ほど年収が減少していることが分かります。
とはいえ、日本人の平均年収は450万円前後なので、倍以上の年収がある電通は高水準であることには間違いありません。
また、役職や年齢によっても年収は前後しますが、さらにクリエイティブ職では電通の中でも実力主義で年収が決まるようです。
平均ラインの年収1,000万円強を達成しても、そこからさらに上を目指すとなると自分で出来る仕事を増やし、仕事をもらいながらこなしていく他ありません。
または、残業代で固定級にプラスして稼いでいる人もいるようです。
電通の競合企業といえば、情報堂DYホールディングス・アサツーデイケイ・サイバーエージェント・バリューコマース・ファンコミュニケーションズなどが挙げられます。
競合企業の平均年収と比較して、電通がどのくらいの水準なのか、見てみましょう。
社名 | 平均年収 |
---|---|
電通 | 1,168万円 |
情報堂DYホールディングス | 1,078万円 |
アサツーデイケイ | 756万円 |
サイバーエージェント | 681万円 |
バリューコマース | 600万円 |
ファンコミュニケーションズ | 506万円 |
電通の年収が高い理由としては二つあり、一つは広告費の増加により人手が必要になったため社員の残業や休日出勤が増えたこと、そして二つ目が賞与の平均が2.45ヶ月分と高いことだと言われています。
電通の役職による年収の違いは、以下の通りでした。
役職名 | 平均年収 |
---|---|
専任部長 | 1,300万円から1,500万円 |
ライン部長 | 1,500万円から1,800万円 |
管理職 | 2,000万円〜 |
役職なしの社員から役職を持つためには、まずは専任部長への昇格が必要となります。
専任部長になる目安の年齢としては、32歳以降が多いようです。
32歳で年収1,300万円超えとなると、かなり高所得であると言えるでしょう。
さらに、専任部長の上にはライン部長があり、ライン部長になる目安の年齢は40歳以降とのこと。
そして、その上の管理職は45歳以降が多く、管理職まで来ると年収は2,000万円を超えるようです。
全国の40代の平均年収は460万円から500万円前後なので、電通のトップ管理職層と比較すると1,500万円も差があることが分かります。
給与が上がることで同時にボーナスの額も増えますので、結果的に年収が多くなりやすいのが役職ありだと言えるでしょう。
電通の年代別での平均年収は、以下の通りです。
年代 | 平均年収 |
---|---|
新卒 | 350万円から380万円 |
30代 | 960万円から1,100万円 |
40代 | 1,100万円から1,380万円 |
50代 | 1,350万円から1,470万円 |
30代を過ぎたあたりから年収が上がり始め、50代まで安定して年収1,000万円を稼ぐ人もいるようです。
新卒の初任給こそ24万円と高くないものの、年が進むのに合わせて一定のペースで昇給するような制度であるのが事実でしょう。
さらに、30代からは主任や課長、40代では課長や係長、そして50代で部長や局長などを任されることもあり、それに伴って年収が増加するようです。
また、年功序列の傾向はあるものの、与えられた仕事をこなしていけば年収を上げていくことも可能とのこと。
完全なる実力主義ではないため、真面目にコツコツ頑張れる人が最終的に年収を上げられるようです。
年収が高い理由の一つに「残業や休日出勤せざるを得ない」ともありますので、どれだけ着実に仕事をこなせるかが大切です。
とはいえ、残業の時間規制など、電通の労働環境は変わりつつあります。
昔に比べると「残業で稼ぐ」ということはやりづらくなってしまいましたが、その分残業代が給与に左右されにくいようになっているみたいです。
電通の新卒採用の場合の初任給は、大学卒で24万円であり、1年目の年収はボーナスも合わせると300万円前後といったところでしょう。
これは決して高い水準ではないかもしれませんが、先ほどご覧いただいたように、ある程度年功序列のシステムで30代あたりから年収が上がるのが電通の特徴です。
また、与えられたミッションをこなしていくことで徐々に昇給や昇格に繋げられることでしょう。
また、残業代などによっては手取りが月に50万円近くなることも。
あくまで初任給の数字でしかないため、あとは入社後の頑張り次第という部分にもなってきます。
中途採用の場合、初任給に関しての明確なデータはありませんでしたが、1年目の年収は平均すると400万円から800万円と言われています。
電通は長年新卒採用のみしか行なっておりませんでしたが、2017年よりかなり大規模での中途採用の取り組みを始めました。
また、中途採用者に求められるスキルは高いため、業務で使える知識や専門分野のスキル、語学力などが必要になってきます。
電通は他の企業と比較すると求人が少ない傾向にあるため、転職するハードルはかなり高いですが、入社後は安定したキャリアを積むことができるでしょう。
電通の福利厚生は、主に以下のものがあります。
住宅手当の中の住宅取得支援制度は、家を購入する時に基準を満たすと最大5万円の支援を受けることができます。
また、社宅制度もあり、東京・大阪・名古屋に用意されています。
また、電通ファミリーデーという制度が人気で、1年に1度大人気テーマパーク3つ(東京ディズニーリゾート、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、ナガシマスパーランド)のどれかに、社員と家族を無料で招待してもらえます。
電通のボーナスは、平均223万円ですが、年齢によっても異なってきます。
年代別の平均ボーナスは以下。
年代 | 平均ボーナス |
---|---|
20代 | 143.5万円 |
30代 | 201.3万円 |
40代 | 255.2万円 |
50代 | 294.9万円 |
また、退職金に関しては通常は勤続30年で約3,000万円と言われています。
とはいえ、社会全体で退職金は年々減り続けており、ピーク時と比較すると1,000万円も減額があったとのこと。
退職金の額も今後変わっていく可能性があるため、老後も安定して生活するためには「現役で長く働くこと」がカギとなってくるでしょう。
転職が難しいと言われる電通ですが、きちんと対策を行なっていけば可能性は0ではありません。
実際に電通に転職するためのオススメの方法をまとめました。
まず、電通の選考を突破するためには以下の3つが大切と言われています。
上記に関して自分で出来る選考対策としては、まず企業理念や広告代理店について事前に理解を深めておくことが必要と言えます。
また、人を楽しませるために必要なのは「人として面白いかどうか」「機転が効くか」などが大切になってくるでしょう。
コミュニケーション力を瞬時に磨くのは難しいかもしれませんが、言葉選びに気をつけることや、相手の表情を見ながら簡潔に、端的に伝えることを意識するといいかもしれません。
電通は広告代理店トップレベルで忙しく激務であることから、忙しさに対するストレス耐性が求められます。
ストレス耐性があることを、いかに選考時にアピールできるかがポイントです。
電通に転職を考えている場合は、転職エージェントを利用するのがオススメです。
転職エージェントを利用することで、無料でコンサルタントがアドバイスをしてくれるほか、企業の内部情報が手に入ったり非公開の求人に応募できたりします。
また、電通に転職する場合、転職エージェントの中でもJACリクルートメントが有力です。
外資系企業への転職支援に強いのが特徴で、ハイキャリアを目指す人にとって有効な転職手段となるでしょう。
以上、電通の年収と色々な制度に関してご紹介してきました。
電通は入社こそハードルが高いものの、一般的に見て高水準な年収でもあることから、安定して働きやすいのではないでしょうか。
また、いきなり正社員雇用ではなく契約社員から始めて、正社員への登用を目指す方法もあります。
転職の際に、転職エージェントはかなり有効ですので、ぜひ活用してみてください。