日本を代表する総合電機メーカーでも富士通。
日本で初めてコンピューターの製造に成功したパイオニアメーカーでもあります。
ITベンダーとしては日本国内で1位、世界では7位の超有名企業となっております。
そんな世界でも活躍する富士通はどのような人材を求めているのでしょうか。
本記事では富士通の年収という観点から、中途入社を含め、会社の中身について触れていきます。
転職や新卒入社を考えている人へ向けた記事内容となっていますので是非参考にしてみてください。
■まとめ
富士通の平均年収は約800万円です。
ここ十数年の年収推移としては、764~843万円です。
年度ごとの年収の増減理由は、会社の業績によって、賞与の金額が変動する為です。
賞与は基本給の数か月分の支給となります。
富士通の業績賞与の場合、4.5~6か月分の支給という振れ幅があります。
月給に関しては平均50万円となりますので、平均賞与金額は200万円前後となります。
年度 | 平均年収 |
---|---|
令和1年 | 804万円 |
平成30年 | 799万円 |
平成29年 | 790万円 |
平成28年 | 797万円 |
平成27年 | 810万円 |
平成26年 | 811万円 |
平成25年 | 797万円 |
平成24年 | 798万円 |
平成23年 | 804万円 |
平成22年 | 788万円 |
平成21年 | 764万円 |
平成20年 | 843万円 |
平均獲得年収が1000万を超える商社や、超一流企業と比較するとやや見劣りする印象をうけてしまう富士通。
一般的なサラリーマンの平均年収である420万円と比較をすると高水準に感じます。
富士通の給与体系には、若手社員の給与が上がりにくい傾向にあります。
評価制度の導入こそありますが、機能はしておらず実質は年功序列による給与体系となっております。
また等級制度を導入しており、等級によって獲得年収のふり幅が決められている為、仕事で大幅な成果を出したとしても臨時的なボーナスなどは出ません。
その為、30代までの社員の給料の上がり方に個人差が少ない為、収入事態に大幅な差が出にくい事が考えられます。
富士通では男女別、年齢別においてどのような年収モデルとなるのでしょうか。
年齢 | 男性の年収 | 女性の年齢 |
---|---|---|
20~24歳 | 298万円 | 298万円 |
25~29歳 | 660万円 | 568万円 |
30~34歳 | 680万円 | 609万円 |
35~39歳 | 703万円 | 629万円 |
40~44歳 | 759万円 | 703万円 |
45~49歳 | 864万円 | 801万円 |
50~54歳 | 946万円 | 879万円 |
55~59歳 | 937万円 | 871万円 |
60~65歳 | 613万円 | 567万円 |
平均年収のピークは男女ともに50~54歳となっており、男性で946万円、女性で879万円となっています。
特徴的な点としては男女ごとの収入差がそこまで大きくない事です。
これは管理職の女性割合が高く、女性の活躍する場所が多く用意されている事を指しています。
富士通は等級制を導入しており、賞与が大幅に増額になるには目安として入社13年目以降の等級・SPへの昇格が必須となります。
年齢では無く、在籍年数によって比例する為、一人一人の従業員の在籍年数は長く、大手企業の平均勤続年数の中央値である11年よりも長い、19年が富士通の平均勤続年数となっております。
難関な就職・転職活動を突破して富士通グループの一員となりました。
想定される初年度の年収モデルはどのような給与体系になるのでしょうか。
新卒採用の初任給は大学卒であれば、20万5500円、大学院卒であれば、22万8500円となっています。
大手企業の初任給とほとんど差はありません。
大学院卒の方が約2万円前後、基礎給与が高くなります。
想定年収は基本給と賞与と福利厚生によって算出されます。
富士通の新卒入社の場合、推定年収は400~450万円となります。
入社してから2年間は等級が一番低いトレーニーという見習い期間があり、年収の推移はほとんどありません。
賞与に関しては業績賞与の為、固定額ではありませんが平均基本給の4か月分が支給されます。
中途採用の場合、前職の経験や技能を考慮されます。
入社が決まった段階で、どの等級に所属するかが決定する為、一概に金額を算出する事は出来ません。
想定される年収に関しても同様で、付与される等級によって変化します。
富士通の職種別ではどのような年収モデルとなるのでしょうか。
職種グループ | 職種 | 平均年収 |
---|---|---|
営業・ビジネス職 | 営業 | 500~600万円 |
企画 | マーケティング | 450~900万円 |
事務・専門職 | 事務 | 400~700万円 |
開発・エンジニア | 開発 | 400~700万円 |
SE(システムエンジニア) | 500~900万円 | |
研究開発 | 450~700万円 |
富士通では様々な職種が用意されており、個人の力量を最大限生かせる会社と言えます。
営業職に関しては、富士通技術の売込みや企画立案などが職種のメインとなります。
富士通はSIer(エスアイェアー)といった業態が中核となっております。
SIerとは官公庁や大企業から受注を行い、システム全体の構築、運用、管理など全てを兼任する業態を指します。
その為、富士通グループではSE(システムエンジニア)の労務環境が充実しており、SEの技術支援専門の部署も設けられています。
年収の格差に関しては、多くの場合が残業代により、部署によっては残業がほとんどない部署も存在します。
大型プロジェクトなどを受注した場合SE部門は繁忙期を迎える為に、比例して年収が高くなる傾向にあります。
一般企業と同様に富士通でも、役職手当が存在します。
各役職によってどのような年収モデルとなるのでしょうか。
役職 | 年収 |
---|---|
主任 | 803万円 |
係長 | 906万円 |
課長 | 1,198万円 |
部長 | 1,324万円 |
年収が1000万円の大台に乗るには課長職以上に就くことが最短の近道となります。
富士通の社員は等級毎に年収が比例します。
年収の推移は基本的には勤続年数や社歴などに比例する年功序列に近いキャリア形成です。
分類 | 等級 | 平均勤続年数 | 年収 |
---|---|---|---|
一般社員 | トレーニー | 1~2年目 | 400~500万円 |
G2 | 2~6年目 | 450~550万円 | |
G3 | 6~8年目 | 550~650万円 | |
G4 | 8~13年目 | 650~800万円 | |
SP | 13~18年目 | 800~900万円 | |
幹部社員 | 役職者 | 18年目~ | 900~2000万円 |
昨今では成果主義を導入しているようですが、未だに年功序列が根強く残っています。
富士通の平均年収に到達するには13年目以降のG4クラスの社員に到達する事が必須となります。
富士通の福利厚生にはまず住宅手当が設けられています。
住宅手当に関しては独身者と既婚者で手当ての額に変動があります。
独身者の場合、最低で7000円、最高で3万円の住宅手当が付与されます。
金額の幅に関しては、住んでいる場所などで手当ての金額が変動する為です。
東京近郊に住んでいた場合は最大付与額の3万円の手当となります。
独身者の場合は30歳まで手当てを受ける事が出来ます。
既婚者の場合、最低で7000円、最高で4万円の住宅手当が付与されます。
受給できる期間は入居後13年間もしくは40歳になるまでとなっております。
独身者同様で、東京近郊に住んでいる場合は最大金額の手当てを受ける事が可能となります。
次に独身寮についてですが、月9,000~20,000円で住むことができ、非常に経済的です。
全ての事業所の近くに独身寮があるわけではないですが、入居者からの評判は良いとのことです。
扶養手当に関しては扶養家族1人に付き毎月12,000円の手当てを受ける事が出来ます。
福利厚生ポイントとは、社員一人に付き20,000ポイントが付与されます。
書籍の購入や提携しているジムなどでも利用する事が出来る為、社員の裁量に合わせて自由度は高いようです。
休暇については、月に1日は有給休暇の取得を促されるなど、働き方改革を推進する企業としては積極的な姿勢を感じます。
完全週休2日、夏休み、年末年始など休みはしっかりと取得する風潮にあると言えるでしょう。
富士通の生涯年収は3億5000万円といわれています。
日本のサラリーマンの平均的な生涯獲得年収が約2億円弱と言われている事から、約2倍弱の生涯獲得年収となり、間違いなく高給取りという事になります。
富士通はICTサービス市場で国内第1位、世界第7位の売上高を誇ります。
大規模な先進的な技術が高く評価され、世界180か国で事業展開している大企業と言えます。
受注した案件から、システムの全てを構築し、運用管理する事業を得意としています。
富士通と聞くと一見パソコンやスマートフォン事業のイメージが強いですが、売上高の多くは都市のインフラ整備や医療機関、金融機関など様々な専門性の高い分野へ参画をしています。
富士通の社風として第一に挙げられる点としては、2017年の雑誌取材において女性の働きやすい企業NO1を獲得しています。
これは女性の活躍、育児・介護、働きやすさという観点から評価されます。
また現在の多種多様な世の中で様々な国籍、性別、障害など全てを受け入れ、個々の多様性を受け入れる方針(ダイバーシティ&インクルージョン)を推進している点も働きやすい企業と判断する事ができるのではないでしょうか。
また新入社員にも「まずはやってみる」という観点からある程度の裁量を与えられることも特徴的です。
その為、上司とのコミュニケーションが円滑に進み、風通しの良い組織となっています。
富士通の新卒募集ページには求めている人物像について以下のように記載があります。
富士通の仕事内容は、現在社会に足りていない物の創造や具現化が求められています。
その為指示待ちの人材よりは、自分から積極的に動くことを求められます。
またチームでのプロジェクトを立ち上げ、業務に取り組む事も多い為、協調性や問題解決まで粘り強く取り組む姿勢などが求められていることが分かります。
日本数数の有名企業でもある富士通では、働きやすさや仕事のやりがいなどは間違いなく保証されているといっても過言ではありません。
福利厚生から見ても働き方改革を会社全体で推進している姿勢を感じます。
業界最大手の企業や、商社などと比較すると年収は若干劣りますが、仕事のやりがいや自己成長、働きやすさを重んじる場合は優良企業である事には間違いないと言えるでしょう。