「自由闊達」の風土の中で「挑戦と創造」を掲げる国内大手の商社・三井物産株式会社のインターンシップについてまとめました。
「求める人材や選考で重要視しているポイント」について、インターンシップの実施内容、選考プロセス、面接で聞かれる質問事項など、過去の実例をふまえてお伝えします。
三井物産株式会社は国内大手の総合商社で、「必要なモノやコトを必要としている人々に届ける」ため、国と地域、人とモノ、事業と情報、アイデアと技術をつないで新たな価値を創出する会社です。
特に鉄鉱石、原油の生産権益量の高さで知られます。
設立は1947年で東京都千代田区に本社を構え、社員数は5,676名(2020年3月31日現在)が在籍しています。
三井物産の社風の特徴として大きく2点が挙げられます。
具体的な資産を持たない三井物産では、「人が仕事をつくり、仕事が人を磨く」という言葉があり、人材が最大の資産という考え方があります。
自らが創った仕事で自分自身を磨き、社会にまた新たな仕事を創りだす、このサイクルが原点となっています。
新人から管理職層まで豊富な研修プログラムがあることからも、人材育成に力を入れていることがわかります。
三井物産には、自由闊達な企業文化が受け継がれています。
年次や役職を問わず全ての社員が同じ立場で意見をぶつけることで、仕事を創ることができています。
この文化により社員の自由な発想や行動が担保され、ビジネスの推進力となっています。
これらの社風から、社員は自立して成長できること、臆せずに是々非々で意見をぶつけることができる人であることがわかります。
以下の求める人材も参考にインターン参加に向けて準備してみてください。
三井物産の経営理念には2020年5月に以下のMission、Visionそしてこれらを実現するための4つのValuesが設定されました。
世界中の未来をつくる
大切な地球と人びとの、豊かで夢あふれる明日を実現します。
360° business innovators
一人ひとりの「挑戦と創造」で事業を生み育て、社会課題を解決し、成長を続ける企業グループ。
変革を行動で
私たちは、自ら動き、自ら挑み、常に変化を生む主体であり続けます。
多様性を力に
私たちは、自由闊達な場を築き、互いの力を掛け合わせ最高の成果を生みます。
個から成長を
私たちは、常にプロとして自己を高め続け、個の成長を全体の成長につなげます。
真摯に誠実に
私たちは、高い志とフェアで謙虚な心を持ち、未来に対して誇れる仕事をします。
社員に求めるこれらのValuesを持って、仕事にあたる人を求めているといえます。
特に、創業時から根付く価値観に、「挑戦と創造」という言葉があります。
世の中から必要とされる「時代ニーズの産業的解決者」を追求する「挑戦と創造」を繰り返すことができる人材が求められています。
ここからは三井物産のインターンシップの内容と選考の流れについてまとめていきます。
三井物産ではSpring Program2020として以下のインターンシップが開催されました。
「自らが事業の主体者となって先例のないビジネスモデルによる事業を追求する」をテーマに、仕事の醍醐味が体感できるイベントとなっています。
Spring Internshipの3日間を通して、三井物産の理解につながるプログラムとなります。
日本あるいは海外の大学・大学院に在学中の方
2泊3日宿泊型インターンシップとなっています。
A日程:2020年3月08日(日)~10日(火)
B日程:2020年3月23日(月)~ 25日(水)
三井物産グローバル人材開発センター(神奈川県横浜市)
参加できるのはA日程、B日程のいずれか一方のみ
(※参加を希望する日程のヒアリングは、エントリー書類提出で行います。)
過去のインターンシップ(2019年以前実施のインターンシップ等)に応募者・参加者の再応募は可能です。
本インターンシップの参加に当たって、日当は発生しません。
また、首都圏外より参加される方のみ交通費を一部負担があります。
3日間全てのプログラムにご参加可能な方のみの応募受付となります。
以下は選考の流れの補足です。
※WEBテスト合格者向けには、インターンシップの他にもプレミアムコンテンツ(「挑戦と創造」追体験セミナー上級編など)が案内されます。
※プレミアムコンテンツ応募用のWEBテスト結果がそのまま適用されます。
このように選考に間接的につながることから、三井物産の就職活動において大きなイベントといえます。
以下の対策も参考にして参加を目指してみてください。
ここからは三井物産のインターンについて、それぞれの選考過程の対策についてまとめていきます。
まずES対策について実例をもとにご紹介します。
過去の質問事項としては以下が挙げられます。
特にこれらの項目で重要視されているのは、周囲に提供できる価値だと考えられます。
学生の皆さんがインターンに参加するにあたって、得たいものを考えることは一般的だといえますが、三井物産のインターンでは宿泊型ということもあり、その期間中でどれだけの価値を会社側にまたは他の参加者に対して、提供できるかということが求められています。
それぞれが提示できるものを明確に示して、参加者同士で議論を磨いてもらいたい意図が伺えるので、この部分はかなりはっきりと記載することがES対策として重要になるといえます。
▶エントリーシート(ES)の書き方について知りたい方はこちら
形式 | 玉手箱 |
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会場 | 自宅 |
一般的なテストになるので、分からない問題は飛ばすこととSPIの参考書で基礎固めを行いましょう。
Spring Internship 2020 では面接は選考過程にありませんでしたが、例年は行われていることから、こちらでは面接対策についてまとめています。
形式 | 面接官:1-2名 学生:1名 |
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会場 | 20-30分 |
参加に対する意欲が問われていることは当然ですが、過去の参加者の中には、逆質問で特に質問の返答の後に必ずアピールにつながることを付け加えていたことから、自己PRをうまく織り交ぜることを意識してみてください。
また、質問の深堀のなかで、答えにくい質問が出ることがありますが、過去の参加者の中には難しい質問でも臆せず回答できている方が参加しています。
このことから完璧な答えを時間をかけて答えるというよりは、ご自身の考えてきたことをハキハキと素早く答えられる点が重要視されているといえます。
自己PRや臆せず回答するという点は社風にも通じるところになるので、意識して準備しておくと良い結果が得られると考えられます。
三井物産のインターンシップは新卒採用とは一切関係ありません。
採用には影響はないとのことですが、一方で、WEBテストの結果によっては次の選考の案内がくることから、間接的なつながりはあることがわかります。
内定を目指す学生の皆さんはできる限り参加した方が良いイベントといえます。
また、過去の参加者は以下のような気づきを得て、就職活動をスムーズに行っています。
総合商社の事業投資ビジネスのやり甲斐とスケールの大きさ。
前例がない物事に対して、自ら考えて行動し、事業を成功に導き、更にお客様に再度頼っていただくという循環がすごく素敵で、総合商社の人気の理由が少し分かったような気がしました。
総合商社というたくさんのポートフォリオを抱える企業で必要な幅広い視点。
1つの本部でありながら、他本部と連携して巻き込むことで大きいビジネスを作っていけることを学べた。
さらに、自社のためではなく、社会課題の解決にトライしていくんだというマインドセットも学べた。
まず総合商社のビジネスの全体像をざっくりと理解することができます。
ワーク中も社員からのフィードバックをもとに総合商社らしいビジネスを教わる子ことができます。
ただし、配属される本部によってお題は異なるので、学ぶ内容も異なりそうです。
それぞれのグループに一人ずつメンターがついており、かなり密度の濃いコミュニケーションを取れたと思います。
どんな質問にも丁寧に答えてくださいました。
また、プレゼンに対する指摘も鋭く、よく考えているのだと感じました。
引用元:みん就総合商社の業務を実際に体験しましたが、とてもタフなものだと感じました。
残業をしているグループにしっかりメンターもついていて、正直大変だなと思いました。
自分の総合商社への適性は、このインターンで強く感じることができました。
このように、過去の参加者の中では宿泊型のインターンに参加して社員の人となりや、ビジネスの進め方を学び取って、自分自身の適性を探ることができています。
一般的に学生の皆さんがインターンに参加するメリットとして、就業前に会社との相性をすり合わせることが挙げられますが、三井物産ではうまくプログラムを作って業務のタフさも伝えることができています。
その上で参加者は、社会課題の解決を目標に参加者と協力して取り組む姿勢も学んでいます。
これから参加を検討される学生の皆さんは、このインターンを企業研究の一環として活用してみてください。
三井物産のインターンシップに参加するにあたって、重要な要素をまとめます。
物事を貪欲に進める人が評価されやすい風土がある
過去の参加者の中には社員の印象を「ハキハキ、がつがつ」と感じています。
コミュニケーションスキルと総合商社のビジネスの理解習得をあらかじめしておくと、スムーズに参加できるといえます。
提示できる価値の明確化と、チームの構築を意識する
これから参加を検討される学生の皆さんは、同世代が集まった中においては何が得意かを考えてまとめておくと良いと考えられます。
また、各配属本部に分かれて以降は部屋が別々となり、閉鎖的な空間で議論をすることになるので、チームビルディングも非常に重要となります。
経営理念にもある、「自由闊達」の風土の中で「挑戦と創造」を一人ひとりが自立して実行することが求められています。
選考の競争率は高いですが、完璧な回答よりも、臆せずに回答できるように自信を持って臨むと良い結果が得られると考えられます。