採用試験でよく用いられているSPIは、様々な能力検査を行い、採用できるか判断するために利用されています。
この試験は多くの企業で出題されるため、対策を整える必要があるでしょう。
この記事では、SPIの能力検査について説明します。
また、SPIの能力検査でよく出されている問題や回答を解説します。
これからSPIを受ける方は確認しておくといいでしょう。
■まとめ
SPIの能力検査は、テストセンターとも呼ばれている検査です。
この検査はWEBを利用して受ける場合が多くなっていますが、試験を受ける場所は専用の会場であることが大半で、自宅では検査を受けられない傾向があります。
この検査は複数の内容を組み合わせて構成されており、それぞれの検査によってどの項目の能力が整っているか判断できるようにしています。
そのため、SPIを受けることにより、自分の能力がある程度わかるようになり、適正な能力を持っているかが会社側も判断できるのです。
複数の内容が用意されているため、対策すべき点も多々あります。
他の試験に比べると広い範囲で出題される一方、様々な試験が行われていることで過去問題が多く残されています。
こうした問題をしっかり見て回答できるようにしておけば問題なく検査をクリアできます。
SPIの能力検査ですが、大きく分けで3つに分けられます。
こうした検査によって、本当に適正な人材なのか判断されます。
一定の数値を超えていないと採用されないケースもあるなど、検査といってもしっかり対策しなければならない点に注意してください。
ここからはSPIの詳細について詳しく説明します。
まずは基礎能力検査です。
これは2つの分野に分かれていますが、合計して基礎能力検査として扱われます。
この検査には言語分野と非言語分野の2つが用意されています。
言語分野は言葉を利用した内容を回答していくというもので、非言語分野は図柄などを見て回答していくものに分けられます。
どちらも同じ程度の検査が用意されており、双方の対策が必要となります。
この検査では知的能力を測定しています。
入社後にしっかり理解し、働くことができるかを確かめるために用いられています。
企業側が指定した点数を取っていれば、この検査はクリアしていると判断されます。
次に英語検査です。
こちらは英語テストと同じような感じで考えていいでしょう。
基本的にはビジネスで利用する英語がある程度理解できているのか、英語検査を通じて確認するために用いられています。
英語を利用する会社の場合は、この試験で英語力をある程度示さないと、採用されないケースがあるため注意しておきましょう。
この検査は英語を利用しない企業は行っていない傾向が多く、SPIでも出題されない場合があります。
この試験は、物事を整理して対応策をしっかり示す能力があるのかを見るために用いられています。
具体的には、これまでに見たことがない事例について対応策を出題するように提示されます。
こうした出題内容に対して、背景にある共通性などを確認した上で、自分なりの対策を回答するのがこの試験の内容となります。
情報を俯瞰的に捉えられるかどうかが求められる検査となっており、様々な事例に対応しなければならない企業で用いられています。
SPIの能力検査ですが、対策をしないまま試験を受けても点数は取れません。
しっかりと対策をしなければなりませんが、この時期については大体1ヶ月前から対応するのが望ましいでしょう。
この検査は対策する期間が長ければ長いほど対策できる内容が多くなります。
余裕を持って対策を取りたい場合は3ヶ月以上前から過去問題を解くなどの対応を考えておきましょう。
ここからは、過去に出題されている問題を基に、それぞれの試験についてどのような問題が出題されているのか確認していきましょう。
まずはSPI基礎能力検査の言語分野です。
言語分野は国語に関連する問題が多く出題されます。
長文の読解なども含まれていますので、しっかりと対策を進めておきましょう。
ここからは頻出する問題を中心に、問題例と回答を紹介します。
ほぼ間違いなく出題されている内容です。
2つの言葉の内容がどのような関係性を持っており、同じ関係性を持った言語を答えます。
最初に提示された二語の関係を考え、同じ関係のものを全て選びなさい。
ペン:筆記用具
この答えはイとウです。
左の言葉が右の言葉の一部だと分かれば難しくないでしょう。
主に熟語の意味を答える問題です。
こちらも多く出題されます。
「最初に示された意味と最も合致する言葉を、選択肢より選びなさい。」
勢い盛んに活躍することを指す
答えはEです。
語句の意味を覚える必要があるため、記憶力が重要になります。
言葉の使い方を求める出題です。
正しいものを選ぶだけですが、間違った語句の用法をしないように気をつけておきましょう。
「最初に示された文章の下線部の意味を考え、最も近い意味で使われているものを選択肢より選びなさい。」
答えはDです。
このかんしょうというのは観賞を指しているため、D以外は間違った答えとなります。
文章を並び替えて、正しい文章に置き換えていく出題です。
文章をしっかり組み直して、正しい文章に置き換えて答えを導き出しましょう。
「次のア~オの文を意味が通るように並び換えたとき、アの次にくる文を選びなさい。」
ア:しかし、実際にはこの言葉自体に正確な定義はなく、いわゆるマイナスイオン商品も本当に健康に良いかどうか実証されていないケースが多いそうだ。
イ:マイナスイオンという言葉が一時期ブームになったのを覚えているだろうか?
ウ:この言葉は、扇風機、クーラーといった家電やタオルなどの繊維製品に対し、健康に良さそうなイメージを植え付ける、いわば宣伝文句として利用された。
エ:バズ(buzz)とは、蜂がブンブンとうなる様子を表しており、人を混乱させる迷惑な流行語という意味がある。
オ:このマイナスイオンのように、一見すると専門用語に見えるが、実際には正確な定義がない用語をバズワード(buzzword)と呼ぶ。
答えはオです。
マイナスイオンを用いた文章の次に来る言葉はマイナスイオンに関連する言葉の意味を紹介するものです。
この中ではオ以外に該当するものがないため、オが正解です。
空欄を埋めて正しい文章を作るものです。
場合によっては空欄が多数用意されている場合もあります。
帰納法とは、いくつかの個別の事例から、一般的な法則を見出そうとする推論方法である。
しかし、帰納法で得た結論は、必ずしも( ア )とは言えない。
例えば「リンゴAは甘い」「リンゴBは甘い」「リンゴCは甘い」という事例から「全てのリンゴは甘い」という推論をしたとする。
しかし、これから先、甘くないリンゴが発見される可能性は常にある。
答えはBです。
普遍的というのはすべてのことに共通していることという意味がありますので、この文章で最も適切な言葉となります。
熟語の成り立ちを答えるものです。
熟語の意味を知っているだけでは難しく、しっかりと成り立ちを覚える必要があります。
「次の5つの熟語の成り立ち方として、当てはまるものをA~Dの中から1つずつ選びなさい。」
答えはAです。
2つとも「うける」という言葉であり、似たような意味を重ねて作られている熟語と判断できます。
次に非言語分野について解説します。
非言語分野は図柄を見て判断する問題もあります。
文章からどの回答が正しいのかを選ぶものです。
様々な内容から本当に正しい回答を選ぶ必要があります。
P、Q、R、S、Tの5人でかけっこをした。5人の順位について次のことが分かっている。
次のア、イ、ウの推論のうち、必ず正しいものはどれか。
答えはEです。
QがPよりも上の順位であるという時点で1位は正しい回答となります。
また、PかTのどちらかが2着の可能性があるため、ウも正しい回答です。
何通りの数が存在するかを確認する問題です。
この問題は図柄を用いた出題もありますので、図をしっかり見て判断する必要があるでしょう。
今回は文章のみで出題される例を紹介します。
1つのコインを6回連続で投げる。
このとき、表が4回出るような表裏の出方は何通りか。
答えはDです。
数多くの選択肢が用意されていますが、計算式が分かれば回答は容易にできます。
場合の数に近い内容となりますが、こちらは確率がどのように設定されているか確認する必要のある問題です。
スペードの1から13まで、合計13枚のトランプの山がある。
この山からトランプを2枚続けて引く。
1枚目に引いたカードを山に戻して、よく切った後に2枚目のカードを引く。
このとき、少なくとも1枚は3の倍数である確率はいくらか。
答えはGです。
こちらも計算が必要な問題となりますが、計算式が頭に入っていれば難しいものではありません。
アンケートの結果などを用いて、その出題の答えが何かを見つける問題です。
小学生180人に対し、野菜の好き嫌いについて、「好き」か「嫌い」かで答えるアンケートを行ったところ、ナスが好きな人は100人、ピーマンが好きな人は70人、ニンジンが好きな人は110人だった。
このうち、ナスもピーマンも好きと答えた人は40人だった。
また、ナス、ピーマン、ニンジン、いずれも嫌いと答えた人は1人もいなかった。
ニンジンだけが好きな人は何人いるか答えなさい。
答えはCです。
ナスが好きな人とピーマンが好きな人を足し、ナスとピーマンが両方好きな人を引くと130人となります。
後は180-130で計算すると答えが算出されます。
次に英語検査について解説します。
英語検査は出題される企業は限られているものの、出題される場合は英語関連の対策が必須となります。
同じ意味を持つ言葉を回答するものです。
日本語に置き換えて意味を理解できるかどうかが重要になります。
「最初に示された語と最も近い意味を持つ語を、選択肢より選びなさい。」
答えはBです。
proofは証拠という意味が用いられています。
同じ意味を持っているのはBだけなので答えはBとわかります。
空欄を埋めて正しい文章を作るというものです。
こちらも多く出題されるため対策しなければなりません。
「空の旅では、離陸時と着陸時にシートベルトを着用することになってる。」
You are ( ) to fasten your seat belt during takeoff and landing in flights.
答えはAです。
和訳から~することになっているという文章に必要な単語を当てはめれば答えが導き出せます。
Bのaptは~しがちであるという意味なので間違いで、それ以外の単語は意味に合わない言葉となります。
文章と同じ意味を持っている単語を選ぶという出題です。
意味をしっかり理解して、どの単語が当てはまるのかを確かめていく必要があります。
「次の説明文と意味が最も近い単語を、選択肢より選びなさい。」
a series of actions or steps taken in order to achieve a particular result
答えはDです。
文章の意味は「特定の結果を得るために取られる、一連の行動や段取り」となります。
この意味に当てはまるのはDが持つ過程という意味になります。
それ以外の単語は文章に当てはまりません。
間違っているところを指摘する問題です。
英文がしっかり理解しているかどうかによって難易度が変わってきます。
「文法上または用法上誤っているものを、選択肢より選びなさい。」
The meeting in which we discuss about a new product is scheduled to be held three o'clock tomorrow.
答えはBです。
aboutは不要な単語となっていますので、この文章では必要ありません。
最後に構造的把握力検査についての問題と解答を紹介します。
色々な言語の組み合わせや分類が取り上げられます。
用意された文章から出題内容に合った解答を選びます。
「次のア~オを、2つのことがらの関係性の違いによってAグループ(3つ)とBグループ(2つ)に分けることができる。Bグループに分類されるものを下の選択肢の中から選びなさい。」
答えはHです。
ウとオは~したので、~だろう。
という文章となっており、同じグループに分類できます。
それ以外の文章は後の文章が断定している内容となっているため、グループの分類としては異なります。
次のア~オは、ある映画館の意見箱に入っていた要望である。
これらを要望の種類によってAグループ(3つ)とBグループ(2つ)に分けることができる。
Bグループに分類されるものを下の選択肢の中から選びなさい。
答えはFです。
これは要望の意味をしっかりと確認すればわかります。
イとオは規則に関連する部分で要望を出しているもので、それ以外は設備に関連する要望となります。
「次のア~エの中で、問題の構造が似ている組み合わせを探し、該当するものを下の選択肢の中から選びなさい。
そのうちの2/3を姉にあげたところ、姉はもらった中から1/4を友達にあげた。
姉の友達がもらった栗は、1袋のうちのどれだけか。
私は全体の1/4を、友達は全体の2/5を終わらせた。
あと残りは全体のどれだけか。
交際費に使ったのは、収入の何%か。
Aさんは全体の枚数の1/6、Bさんは全体の枚数の1/4を配った。
Aさんが配った枚数が108枚の時、Bさんが配った枚数は何枚か。
答えはBです。
アとウは全体の中から一部分を抜き出し、その内容に関する出題となっています。
残りの2つは全体の割合から出題するものとなっており、アとウとは異なる構造となります。
SPIは多方面の出題が用意されている検査となります。
能力検査としては対策しなければならない部分が多くなっていますので、計画的に対策を進めていく必要があるでしょう。
一方で、難しくはない部分も多々あります。
また、会社によって出題される範囲が変わりますので、その内容を出題されるのかしっかり確認してから対策するといいでしょう。
出題される部分に絞って対策していくことがとても大事です。