日本で唯一の純民間航空会社である全日本空輸(以下ANA)で働きたいと考えている人も多いかと思います。
グローバルでやりがいのある仕事に、知名度や労働条件も抜群。
就活生からの人気も高いです。
しかし、最初に断っておきますがANA(特に事務職)から内定を獲得できる人はごく一部の学生です。
JALは「まじめで優秀」タイプの人を好むのに対し、ANAは「どこでも生き残れるようなパワフルな人」を好みます。
自分の個性やエピソードに自信がある人は、チャレンジしてみると良いかもしれません。
この記事は「ANAのグローバルスタッフ(事務)職に入りたい」と漫然と考えている、就活をやり始めた学生向けに書きます。
読むメリットとしては、ANAという企業の成り立ちからインターンシップ・採用選考フローと面接対策に関する情報を網羅的に知ることができます。
企業研究するのはタダです。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
全日本空輸(ANA)の前身は1952年に設立された「日本ヘリコプター輸送株式会社」という会社です。
戦後の日本は航空機の運航を停止させられていましたが、同年に禁止解除されてから日本ヘリコプター輸送が誕生しました。
当時はヘリコプターによる宣伝事業のみでしたが、54年に旅客航空事業も開始しました。
その後は合併や提携を繰り返し、日本航空とならぶ大手航空会社になりました。
イギリスの格付け会社から、実質最高評価の「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ」の認証も得ています。
国営企業が全身のJALと異なり、ANAは民間から大きくなった会社です。
ただの一企業から日本の航空大手になるなんて、すごいですよね。
社員の能力が高く、優秀である証です。
実際、ANAで働く人はかなりのスーパーマンが多いです。
内定者いわく「世界中どこにいても生き残れる」人が好まれるみたいです。
ANAがここまで大きくなれた理由は、働く人が優秀だったのは間違いありません。
社風は「パワフルで挑戦的」。
一時期はJALに対して「追いつき、追い越せ」を合言葉にしていたそうです。
その名残が今でも残っているのでしょう。
ANAは「動物園のような採用」を目指しているそうです。
一体どういうことなのでしょうか。
人事部の人は過去に「一つの事をやり遂げた人間には魅力がある。いろいろな動物が集まる動物園が魅力的なように、私たちもいろいろな人材が集まって、外から見て魅力的だと思われなければなりません」と語ったそうです。
「世界中どこでも生き残れる」「動物園のような採用」というフレーズから分かる通り、ANAから内定を獲得するには強烈な成功体験が求められます。
他の就活生もアピールしそうな成功体験よりも、もっとあなたの個性が分かるようなエピソードをアピールする必要がありそうです。
✔ANAはタフな人を求められている
✔世界中どこでも生き残れる人材が好まれる
✔成功体験のアピールが重要
内定者体験談によると、ANAは「インターンシップに参加したから優遇される」というわけではないそうです。
ただし、「なぜANAを志望したのか」というエピソードの強い根拠になるので、本採用の面接でアピールしやすくなることは間違いありません。
ANAのインターンシップに参加するにはいくつかの選考フローを乗り越えなくてはなりません。
実際の就活と同じような流れで進むので、就活本番前の練習としては良いかもしれません。
ANAのインターンシップに参加するには、中小企業で内定を貰うくらい厳しい選考を潜り抜ける必要があります。
ただし、インターンシップに参加できれば具体的な働くイメージも湧きますし、面接時に強いアピール材料になります。
一部の企業ではインターンシップが内定に結びつくこともあるみたいですが、ANAではそのような事はないみたいです。
ただし、優秀な人は社員の記憶に残りますので、積極的にアピールしてみましょう。
エントリーシートの設問は公式ホームページ上で公開されています。
全体的に「あなたはどう思いますか」といった質問が多いですね。
これはANAが「他の人にない、魅力的な人」を採用したいという意思の表れでもあります。
自分の考えを問う質問に対しては、かならず自分のエピソードで肉付けするようにしましょう。
ただ意見を描くだけでは、エントリーシートとして不十分です。
「こういう経験をしてきたからこう思う」と具体的に書くようにしましょう。
ANAのWebテストは特殊で、「GROW」と呼ばれるAI(人工知能)を使った診断テストが実施されます。
GROWは自分で回答する設問の他に、複数の他人から自分に関するアンケートを回答してもらう必要があります。
過去の口コミを見ると、5人以上に20分程度の仕事を頼むことになります。
早めにWebテストを受験して、締め切りに間に合うよう時間に余裕を持っておきましょう。
ちなみに、GROWは導入に100万円以上必要だそうです。
ANAはかなり人材採用に力を入れていますね。
過去の面接は、1人10~20分程度の個人面接が行われました。
質問内容はエントリーシートで記入した「志望動機」「学生時代に頑張ったこと」などを深掘りされます。
本番の就活も見据えてアピールするのであれば、面接では「サバイバル力」をアピールするよう意識しましょう。
困難な状況、メンタル的に厳しい状況でどう事態を打開し成功を収めることができたのか、具体的に語れると良いです。
逆に業界や仕事について語るときは注意が必要です。
学生の分析レベルだと面接官から詳しくツッコミが入ったとき、上手く答えにくいです。
「どうしてANAに入りたいと思ったか」といった熱意をアピールするようにした方が良さそうです。
ANAのインターンシップでは、職場見学や社員との交流会のほかに「新規事業を立案せよ」といったテーマでグループワークが行われます。
もちろんテーマは毎年変わりますが、これも選考の一環です。
気を抜かずに望みましょう。
ANAはインターンシップが採用に結びつくことはないと噂されていますが、やはり優秀な学生は社員からも覚えられ、事前の印象が良くなります。
✔ANAの志望動機が重要
✔「学生時代に頑張ったこと」が深掘りされる
✔インターンで社員にアピールすることが大切
ここからは就活の選考フローと、各試験の対策を解説します。
ほとんどインターンシップと似たような感じですが、面接回数が多いです。
面接の対策は十分にしておきましょう。
また、インターンシップ選考と同じくGROWのテストもあります。
事前に友人に協力を依頼しておきましょう。
ANAは就活生からの人気が非常に高く、噂によると毎年1万通以上のエントリーシートが届くと言われています。
そうなると1つのエントリーシートを読むのに時間はかけられないので、「読みやすさ」や「テーマと内容が乖離していないか」が重要になります。
読みやすく書くのは当たり前として、「この質問の意図はなにか」を想像して的確に、分かりやすく書く能力が求められます。
インターンシップの選考で登場したGROWの他に、ESPと呼ばれる形式のテストもあります。
自宅で受験できますし、性格検査のみで時間がかからないみたいです。
Webテストは、GROWの結果を提出するための友人の事前周知が必須です。
本番になってあわてないように気をつけましょう。
期日までに友人からの回答がない場合、自動的にあなたが落とされてしまいます。
ANAの一次面接は集団面接でしたが、近年は個人面接が行われているそうです。
個性を重視しているANAの採用なので、個人面接導入は自然な流れかと思います。
質問内容はオーソドックスに「志望動機」「学生時代頑張ったこと」「自分の強みをどうANAで活かすか」といったことが聞かれます。
困難な状況を克服した、タフさをアピールできるエピソードを準備しておきましょう。
注意点として、ANAの総合職はジョブローテーション(部署異動)があります。
あまりやりたい内容を限定しすぎるのは危険です。
「ANAだから」入社したい、働きたいと伝えるようにしましょう。
ANAの二次面接は、体験談によればかなりフランクな雰囲気だそうです。
面接というより、親しい人と会話している雰囲気だそうです。
しかし、あなたが評価される場には違いないので、過度にリラックスしすぎないよう気をつけましょう。
質問内容は一次面接よりも深掘りされます。
とくに「なぜANAなのか」「なぜ航空業界なのか」といった事は深く聞かれますので、しっかり応えられるよう準備して臨みましょう。
最終面接は二次面接とは一変してかなり厳しい雰囲気だそうです。
二次面接と同じイメージで望むと動揺するので、気を引き締めて臨みましょう。
実際に「最終面接でも3割は落ちている」という噂が流れるほど厳しい面接です。
質問内容は一次・二次と大差ありません。
しかし、これまでの面接で回答した内容との整合性はチェックされています。
矛盾がないように気をつけましょう。
ここまで残る人はかなりのポテンシャルを秘めています。
最後は気持ちの勝負です。
自分の熱意を面接官に伝えましょう。
✔面接回数が多い
✔エントリーシートで他人との差別化が必要
✔最終面接でも3割が不採用
いかがでしょうか。
自分が内定獲得できるイメージは湧きましたか?ここまで読んで、「自分なら内定できる」と思える人は少ないと思いますが、チャレンジする人はぜひ頑張ってください。
ANAの場合、頭が良いのは当たり前で、タフさやコミュニケーション能力、逆境を跳ね返すメンタルの強さが求められています。
「そこまでタフじゃないかも...」と思った方は、JALの方が望みはあるかもしれません。
いずれにせよ、航空業界は就活生に人気で倍率は非常に高いです。
しっかり自分をアピールできるよう、全力で就活に臨みましょう。