トヨタ自動車といえば、日本が世界に誇るトップクラスの自動車メーカーとしてその名を知らない人はいないほどです。
そんな業界トップのトヨタ自動車ですが、その地位に甘んじることなく自動車の完全自動化など新たな技術の開発にも力を入れており、まさに日本の、そして未来を担っていく企業の一つとして非常に注目が集まっています。
今回はそんなトヨタのインターンシップについて、日程から選考フロー、対策まで詳しく解説していきたいと思います。
トヨタは正式名称をトヨタ自動車株式会社といい、トヨタグループ全体での自動車販売台数は約1059万台で世界三位、トヨタブランドの単独では約886万台で世界一位というように、名実ともに日本のトップ企業です。
愛知県豊田市に本拠地を置き、その地域を含む中京工業地帯はほぼトヨタのおかげといってもいいほどで栄え、現在は日本の工業地帯でナンバーワンの生産額を誇ります。
そんなトヨタの従業員数は単独で役7万人、グループ全体では30万人を超えています。
トヨタは世界的に有名な企業ですが、日本で生まれたということもあり、社風はやはり海外企業と比較すると日本の昔ながらの年功序列、縦割り型のものとなっているようです。
とはいえ、やはり優良企業であることからジェンダーに関する意識改革等進めるべき部分は進んでおり、女性の育児休暇なども充実し、誰もが働きやすい環境を目指しています。
年功序列、縦割りといった昔ながらの社風は、個の力を十全には発揮しづらいといったデメリットもありますが、やはり確実に給与が上がっていくという安定感は外資系企業では得づらいものなので一長一短といったところです。
トヨタでは全従業員が共有する価値観として「トヨタウェイ」というものを標榜しており、新しく入ってくる従業員に関してもこの価値観に適合する人材を求めています。
「トヨタウェイ」は「知恵と改善」「人間性尊重」の2本の柱で成り立っています。
現状に満足せず、高い価値観を追求し、そのために知恵を絞りつづけること、あらゆるステークホルダーを尊重し、従業員の成長と会社の成果を結びつけること、この2つを常に念頭において行動することが、すべてのトヨタで働くものに求められています。
また、この2つの柱は、『チャレンジ』『改善』『現地現物』『尊重』『チームワーク』の5つのキーワードに分けられます。
この中でも、特に創業以来重視してきたチャレンジ精神というものを非常に重視しており、新たな価値を創造するトヨタにふさわしい人材を求めています。
残念ながら、トヨタでは今年はコロナウイルスの影響もあり、例年行われていたサマーインターンシップを行っていません。
トヨタの2021年のインターンについては、まだ公式からアナウンスがありません。
公式サイトを常にチェックしておきましょう。
今年の夏インターンの代替として、秋にオンラインでの学生向けの説明会等のオンラインイベントを行っているのでここからはそれらについて解説していきます。
TOYOTA DESIGN Autumn Seminar Online 2020は例年夏に行われるインターンシップの代替として開催されるオンラインイベントです。
デザインコンセプトからアイデア展開、プレゼンテーションに至るまでの工程を体験できる学生向けのイベントとなっています。
専門学校 / 大学 / 大学院 全学年
下記3グループで開催いたします。
事前に課題を作成頂き、それをオンラインで個別にアドバイスさせて頂き、ブラッシュアップを行った最終提案を、最終日に全員参加のもと発表して頂きます。
その他、ポートフォリオ作成の相談や進路についての相談、グループディスカッションも行う予定です。
下記の3つのテーマから1つをお選びください。
テーマに沿って、各自デザインコンセプトを立案。
アイデアを展開し、最終提案を作成下さい。
ご自分の強み(プロダクトCMF/UX 等 ) に重心を置き、提案下さい。
9/1(火)~ 9/30(水)17:30 まで
なお、応募フォームやその他注意事項等については以下の公式サイトをご参照ください。
こちらは、技術系への就職を目指す学生対象のトヨタ社員による業界説明会、座談会となっています。
こちらもコロナウイルス流行のを鑑みてオンラインでの開催となっています。
現在自動運転やシェアリング、コネクティッドに電動化等、100年に1度の大変革期を迎える自動車業界の行く末や、トヨタはそこで今後どのような挑戦をしていくのかといった内容をトヨタの現役エンジニアにも語ってもらうという豪華な内容となっています。
【平日開催】1日2回(17:00-18:30、19:00-20:30)
【休日開催】1日2回(9:00-10:30、11:00-12:30)
開催場所はオンラインとなっています。
今年は夏のインターンが開催されなかったトヨタですが、来年度以降コロナが収束すれば以前のようなインターンが再開すると予想されます。
その対策のために昨年度の選考を例にとって、対策方法を徹底解説していきます!
例年トヨタのインターンは
の主に2種類が存在しています。
エンジニアコースは理系学生なら学部生、院生問わず誰でも応募できるコースで、募集人数は約200人、期間も1か月と非常に長く、トヨタや業界について詳しく学び、体験することができます。
すべての職種向けの方は文系学生でも参加でき、募集人数も最も多い一般的なインターンとなっていています。
これら2つのインターンの選考に関して今回は解説をしていきたいと思います。
エントリーシートの記述に関しては他の会社と同様にまずは、基本となる言葉遣い等をしっかりと整えることが選考突破の必要条件となってきます。
その上で、トヨタのような著名な大企業の場合大量の応募が予想されるためにあまり平凡なことを書いていると目にも止まらず選考落ちしてしまう可能性があります。
自分の学生時代の特殊な経験や、もしくは普通の経験しかなくともそれを少し目新しい視点から自己アピールに用いていくなどの一工夫が大切です。
また、理系の場合自分の研究内容を記述することを求められる場合があるので、そこは他者と差別化するうえでの大きなチャンスでもあります。
インターネット上で提出するタイプで文字数も限られているため、よく文章を練ることと、可能であれば第三者にチェックを行ってもらうと良いでしょう。
1次選考は上のエントリーシートの内容とこの学力検査・適性試験の結果によって行われます。
学力検査・適性試験は筆記で行われる場合とWEB上で行われる場合の2種類がありますが、どちらも自宅で受験するタイプのものではなく、専用の会場で行われます。
科目については言語、非言語、性格検査の一般的なSPI形式のものであり、難易度もそこまで高いものではありません。
市販のSPI対策の参考書をしっかりと勉強しておけば十分に突破は狙えるでしょう。
一次審査に合格すると次は面接審査が待っています。
面接は面接官が人事担当者1人、技術系社員1人の合計2名で、学生の人数はその倍の4人ぐらいでの集団面接の形で行われます。
面接時間は1時間程度です。
質問に関しては多岐にわたりますが、実際に質問されたものをいくつか例で上げると、
等の質問が行われます。
基本的に学生の大学時代の研究を含めた活動について聞かれることが多いです。
ただ、これに単に自分の思い出話を答えているようでは突破は望めません。
トヨタが求める社員像、にあった自分というものを経験談を通してしっかりとアピールしていくことが求められています。
特に「チャレンジ」に関しては、トヨタが創業以来大切にしているキーワードなので、それにまつわる自分のエピソードを話すことができれば高得点につながるでしょう。
この面接試験を突破すると晴れてインターン選考に合格ということになります。
それほど特殊なスキルが求められる選考ではありませんが、その分学生が自分を思いっきりアピールする場面がそうたくさんある選考ではありません。
特に短い集団面接の時間で、どれだけ自分の独自性や他とは少し抜きんでた視点を見せられるかがトヨタのインターン選考の突破のカギとなってきます。
ここからは実際にトヨタのインターンに参加した先輩たちの生の声を紹介していきたいと思います。
参加するにあたって実際に先に体験した先輩の声がたくさん聴けるのは、ネットが発達した今の時代の特権です。
ぜひそれらを参考にしていきましょう。
社員さん1人の方と外部の社員さん1人と共に、東京の本社で開催された。
外部の社員さんが主導しながらビジネスシミュレーションを行い、トヨタの仕事を模擬体験することができた。
1部門6人班が9部門あり、A社とB社どちらの会社がより大きな利益を出せたか競うものだった。
営業職の部門の連携が実際に体感できたので、難しさを思い知ったがとても参考になった。
引用元:ワンキャリア
模擬的な営業の体験を行い、どちらが大きな利益をだせるか競うというのは非常に実践的ですね。
営業はポピュラーな仕事でありながら、学生には内容がイメージしづらい部分もあるのでなおさらありがたいです。
外部の社員さんも来てくれているということで、より広い視点で教えていただけるのも好ポイントです。
部署に分かれて一大プロジェクトの予算を企画するワーク。
部署数が膨大で、それぞれの意向が違うために折衝に非常に苦労したがなかなか濃密でスピーディーな議論ができた。
参加後にアンケートではいと答えたらOB訪問として社員に会わせてもらえる。
そこから本選考の評価に関わる可能性がある。
引用元:ワンキャリア
予算の企画という、先ほどに続いてこちらも非常に実践的な内容。
やはり、社員や参加する学生のレベルが高いため表面的な「お仕事体験」に終わらず、入社後の雰囲気をしっかりと味わえるような体験内容になっているのは非常に学生にとって良い経験になります。
また、OB訪問で社員に合わせてもらえるということで、直接ではありませんが内定にもつながりうるという部分は重要です。
大阪の仮オフィスで行われた自動車の開発から販売までのケースワーク。
企画、開発、製造に分かれて自動車を開発し、開発した自動車が一番売れるかどうかを他のチームと競うというもの。
部門間で考えていることが違うので、たまに足の引っ張り合いになるなど、かなり具体的に仕事での難しいところややりがいを理解できた。
引用元:ワンキャリア
今度は技術系のインターンに参加した理系学生の先輩の声です。
自動車の開発から販売までを、ケースワークとはいえ網羅的に体験できるのは業界の理解にもつながりそう。
部門間での足の引っ張り合いが発生するところまで、具体的でリアルな体験を出来るというのもなかなか興味深いですね。
さて、ここまで読んでいただいた学生の多くが気になっているのは「トヨタのインターンは内定に直結するのか?」ということです。
これに関しては、残念ながら答えはNOです。
しかし、インターンに参加した人限定の選考ルートというものも存在しており、本選考にも有利に働くというのは確かなようです。
実践的にトヨタの業務を体験できることもあり、難しいインターン選考にも挑んでみる価値はありそうです。
ここまで、トヨタの社風や求める人材等の基本情報、そしてインターンシップの日程や選考フロー、その対策等について詳しく解説してきました。
トヨタは日本で一番有名といっても過言ではないほどの企業であり、インターン選考も一筋縄ではいかないなようとなっています。
しかし上で述べたようにその分メリットも大きいので、ぜひ興味がある人は積極的に挑戦していきましょう。